『メトロポリタン美術館展』
2012年12月29日(土)は東京都美術館で標記展覧会を滑り込みで観てきました。会期は2012年10月6日(土)~ 2013年1月4日(金)。
美術館のというよりはむしろ、博物館の展覧会といった趣でしたなぁ。
絵画や写真、工芸と同じくらいのボリュームで古代遺物系の展示物が並んでいるその空間は、悪いということではありませんが、何か奇妙な違和感を醸し出していたように思えました。
まぁアメリカは歴史コンプレックスがありますからねぇ。
と、言いつつも、本展で興味を惹かれたのは、絵画群よりも古代遺物群なんですけどね。
以下、心に残った展示物について徒然なるままに。
『尊厳の芸術展』
2012年11月14日(水)、東京藝術大学大学美術館で標記展覧会を観てきました。
太平洋戦争中のアメリカにおいて、強制収容所に収監された日本移民および日系人の人々が、その不自由な生活を豊かにしようと作り上げた調度品や日用品、装飾品の数々を見ることができる展覧会です。
素材や道具が乏しい中で、これほどの完成度と美しさを誇る工芸品を作り出した人々に心が強く揺さぶられます。
『空想動物の世界展』
2012年11月3日(土)、池袋サンシャインシティにある古代オリエント博物館で標記展覧会を観ました。会期は2012年9月15日(土)~11月11日(日)。
本展は、この古代オリエント博物館と滋賀県にある MIHO MUSEUM の共同主催とのこと。そう言や、MIHO MUSEUM でそんなタイトルの展覧会がやってたっけかなぁ。調べたら2012年7月7日(土)~8月19日(日)の会期で開催されてました。
MIHO MUSEUM と言えば、現在は『土偶・コスモス』(会期:2012年9月1日~12月9日)という展覧会を開催してることからも察せられるとおり古代遺物系美術館。
そして、古代オリエント博物館はその名のとおり、メソポタミア(バビロニアやシュメールなど)といった西アジア古代文明の遺物を中心に扱う博物館。
この強力なタッグによる展覧会ともなれば、古代史萌えとしてはかなり気になるところですが、さらに空想動物を核にした古代神話についての展覧会ときては、町の神話好きとしても外せないわけです。
『ドビュッシー 、音楽と美術』
2012年9月15日東京エリアぐるり美術館巡りの旅その4。
三井記念美術館で仏像を堪能したわけです。この日はそこで終わるつもりだったんですが、中途半端に時間があまってしまい、ならいっそ4大美術館全部回るかぁ、と思い直してブリヂストン美術館まで戻りました。
ここでは2012年7月14日(土)~10月14日(日)の会期で標記展覧会が開催されています。
観るつもりなかったんで全くノーマークだったこの展覧会。でもシニャックの作品が展示されるという情報を得て、だったら観ておいてもいいかなぁ、程度でした。
もっともそのシニャック作品というのはブリ美収蔵品だとか。ということはブリ美の次回展覧会『気ままにアートめぐり─印象派、エコール・ド・パリと20世紀美術』が収蔵品展だから、それでも展示されるんじゃないかしら、だったらやっぱり観なくてもいいかなぁ、と迷いつつ会場入りした次第。
私の認識が間違っていました。申し訳ございません。
絵画ではルノワール、ドガ、ルドン、マネ、モネ、ゴーギャン。彫刻ではロダンとその弟子にして愛人のカミーユ・クローデル。そしてガラス工芸のガレ。さらにジャポニスムの側面から北斎や広重の浮世絵などもあって、かなりスゴイ。個人的にはモーリス・ドニの充実っぷりに目を惹かれました。
フランスのオルセー美術館とオランジェリー美術館、そして日本のブリヂストン美術館。本展はこの3つの美術館合同の企画とのことで、すばらしい印象派作品が綺羅星の如く並んでいました。
しかし、嬉しい誤算半分、嬉しくない誤算も半分。非常にアンビバレンツな想いに悩まされる展覧会だったことをここに告白します。
『あるべきようわ 三嶋りつ惠展』
ポーラミュージアムアネックスの次は、資生堂ギャラリーにて、2011年4月12日(水)~6月19日(日)の会期でおこなわれている標記展覧会について。
展示されているのはガラスを素材としたオブジェです。透明な素材っていいですよね。光に煌くさまは実に美しい。
表面が滑らかなもの。
凸面を昆虫の複眼のように嵌めこんだもの。
お好み焼きにかけるマヨネーズよろしく細長いガラスの線が表面に縦横無尽に走っているもの。
どのような方法か知らないけどガサガサさせたもの。
それぞれの質感によって光の反射具合が変化して、それがまた面白いです。